―ご自身の事について、教えていただけますか?
私は、生まれた時から聴覚に障がいがあり、全く耳が聞こえません。学生時代は主として軟式野球部に所属していました。長年捕手で守り、仲間への指示、監督および投手からの信頼などの役割が多く、チームワークを良くするために積極的なコミュニケーションを行っていました。
コミュニケーションが非常に重要であることを理解でき、この経験を現職でも活かしていると感じています。

自身の取り組んでいるマラソンについては、学生時代の校内マラソン大会でいつも上位に入っていたことから、少しずつマラソンへの興味を持つようになりました。マラソンを楽しむ方法や
記録向上の喜びなどを覚えていき、20歳から本格的にマラソンへ転向しました。

前職は半導体エンジニアとして開発支援業務をしていました。
業務の中で細かい数値などのデータを扱うことが多く、不具合が生じると
高コストが発生してしまいます。このミスを防ぐため、作業負担の軽減を目的とした
ツールを開発しました。Excel(マクロVBA)やPerlなどを用い、作業負担をどうやって
軽減できるか常に考えていました。

―コスモでは実際にどんな仕事をしているのですか?
財務センターの資金決済グループに所属しています。
業務内容は、受託会社の依頼を受け、振込や納付などの支払いを処理する仕事がメインになります。加えて、業務効率化の為のツールを作成したりもしています。当社は業務効率化を図ることに力を入れているので、その為に必要な事は何かを考えながら働いています。

―業務効率化とは?
現場から、定型業務が業務時間を圧迫しているという声があった時にはExcelのマクロ機能やRPAツールを使って、定型作業の自動化に取り組みました。現場からは作業が楽になったという意見を沢山もらえて嬉しかったのを覚えています。

前職でエンジニアとして、開発系の仕事をしていたのでその時に覚えた事を活かせて良かったです。今はどの会社でも、業務改善の必要性が叫ばれているので、今後もこのスキルは会社の為に活用していきたいと思っていますね。

―業務に取り組む上で大切にしている事はありますか?
周囲とのコミュニケーションを大事にしています。 正確な情報を得ないと、業務のミスが発生しますので。特に私が携わっている業務は、細かい数値を扱う事が多いので、ミスを防ぐ為にもコミュニケーションは必要不可欠です。

あともう一点挙げるとすれば失敗を恐れず、チャレンジし続ける事は大切だと考えています。
テクノロジーの発達やコロナの影響で、仕事の進め方や働き方が、大きく変わっているタイミングだからこそ、新しい取り組みを試しながら試行錯誤する必要があると実感しています。

―耳から情報を得るのが難しい中で、どのようにコミュニケーションを取っていますか?
対面でのコミュニケーション方法は、チャットや筆談が中心です。会議に参加する際にはUDトークという音声認識、文字起こしツールを利用しています。
コスモに転職してきて、聴覚障がい者に対する理解度が大変高く、驚きました。前職では、ミーティングに参加することはできませんでしたが、コスモでは周囲の方々の理解や、UDトークの使用環境が整っているおかげで、私も思うように働けて本当に楽しいです。

―ハンディキャップのある求職者へメッセージをいただけないですか?
夢を持つ事が大切です。ハンディキャップがあったとしても、未来に前向きである事。「なりたい姿」や「叶えたい目標」が明確であればあるほど、会社は興味を示してくれます。その夢や目標は必ずしも仕事に関係するもので無くても良いと私は思っています。実際に私も、大きな目標を持ってコスモで働いています。
それが、4年に1度世界規模で行われる、聴覚障がい者のための総合スポーツ国際大会「デフリンピック」の、マラソン競技日本代表になる事です。次の大会は2021年に開催されるので、本当に楽しみです。
コスモは、夢や目標を持つ人達の背中を押してくれる会社です。ハンディキャップの有無に関わらず、実現したい未来の姿があるなら、ぜひこの会社でチャレンジして欲しいと思います。

※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所などは公開当時のものです。