日本で前例のない洋上風力発電プロジェクト
田中:私たちはコスモエネルギーホールディングスの再生可能エネルギー事業、電力事業、新規事業を管理・推進する事業開発部に所属し、日本初の風力事業専門会社であるコスモエコパワーを兼務しており、現在はほぼ毎日コスモエコパワーで仕事をしています。その中で、私たちは主に洋上風力発電プロジェクトの開発に携わっています。現在日本に商業規模の洋上風力発電はありませんが、陸上風力発電をはるかに超える容量が期待され、今後の日本で最も成長が期待される再生可能エネルギーと考えられています。
金子:洋上風力については、2019年に法整備がされて、公募で事業者が決定するというプロセスとなりました。これまでの陸上風力開発は、事前に風況などの調査をして、関係各所の許認可を取得することで事業を行うことができましたが、洋上風力開発は、「事業実現性」「安定的な電力供給」「地域との調整」「地域経済等への波及効果」など様々な能力が問われた上で、公募によって複数の事業体から1つが選ばれるという形です。大手電力会社や総合商社が続々と参入するなど、競争環境は非常に激しくなっています。且つ日本でも前例がないというプロジェクトですので、コスモエネルギーホールディングス・コスモエコパワーのリソースを総動員して向かっているという状況です。
田中:現在、コスモエコパワーは秋田港・能代港での洋上風力のプロジェクトに参画しています。そして今私たちは新たなプロジェクトのプランニングの最中です。国が「2030年エネルギーミックス実現」という指針を打ち出しており、電力における再生可能エネルギーの導入目標22〜24%の実現には、洋上風力発電は欠かせません。洋上風力というこの国のエネルギーの未来に向けて、プロジェクトを進めています。
パートナー企業とのアライアンス、
30年先を見据えたプランニング
金子:プロジェクトの中で、私はアライアンスを担当しています。洋上風力は事業規模が非常に大きなプロジェクトですので、複数社でコンソーシアムを組みます。事業実現のために、どんな会社と、どのようなパートナーシップを組むか、ということを考え、実行する仕事です。
田中:本人は謙遜して言いにくいと思うので、私から。洋上風力の公募においても実際にプロジェクトを進める上でも、「実績」や「コンソーシアムに提供できる機能・能力」というのは非常に重要な要素です。経験や能力を見極め、誰とどう組むのかを決めていくというという非常に大切な部分を、金子さんが担当されています。
金子:ありがとうございます(笑)。
プロジェクトには、複数のワーキンググループがあるのですが、田中さんはオペレーション&メンテナンスのチームをマネジメントされています。短期的に見れば公募に向けて、長期的に見れば建設後の安定的な稼働に向けて、やるべきことは本当にたくさんあるのですが、それをいつまでに誰がどのように進めていくか、ということをマネジメントしていく役割を担われています。
田中:発電設備が完成するのは2030年前後で、そこから20年以上をどうやってメンテナンスしていくのか、ということをいま考えなくてはいけません。いかに風車を止めないかという点や、地域貢献という点で、いかに地元の方々と一緒にその仕事を進めていけるか、ということでも他の競合に負けないようなプランを練る必要があります。
想いと経験が積み重なって今の仕事へ
金子:私の実家がガソリンスタンドを経営しており、石油ビジネスに興味を持ってコスモに入社しました。入社後はコスモ石油ルブリカンツで、営業としてガソリンスタンドへの潤滑油の販売および、ガソリンスタンドでの販売促進を提案していました。 その後、コスモ石油マーケティングに異動し、潤滑油の販売施策を打ち出すような営業統括の仕事をしていました。2018年から現在の事業開発部に異動して、コスモエコパワーを担当しています。事業開発部への異動は、自ら希望をした形です。実家がガソリンスタンドをしていたということもあり、石油だけのビジネスは今後縮小していくという実感がありました。コスモが打ち出している”Oil&New”の”New”にあたる風力事業に携わって、新しいビジネスとともに自分も成長していきたいという気持ちでした。
田中:私は昔観た「アルマゲドン」という隕石の危機から地球を救おうとする映画が心に残っていて「宇宙に行きたい」と漠然と考えていました。
金子:そうなんですね。知らなかった(笑)。
田中:アルマゲドンのどこにそんなに惹かれたのかなと良く考えてみると、十数人で地球のみんなの運命を背負うという、「多くの人のために」という点でした。地球の人々の役に立つような仕事をしたいと思い選んだのがエネルギー業界です。就職活動をしていた2005年当時から再生可能エネルギーに携わりたいと考えていて、「石油はあと30年で枯渇する」というような話がされていた石油業界がこれから一番変わっていくのではないかと思い、コスモを希望しました。技術系の基幹職として入社し、最初は千葉製油所で7年間、製油所の保全を担当する工務の仕事をしていました。そこから本社の製造技術部に異動し、全製油所の予算取り纏め、保全方針の検討などを行いました。その後経営企画に異動した後、現在の事業開発部で仕事をしています。
金子:様々な仕事を経て、入社の時に希望されていた再生可能エネルギーの仕事をされているんですね。
田中:キャリアのいろんな場面で、「再生可能エネルギーをやりたい」と思うことはありました。けれど、今となって思えば、全ての仕事の経験が、今に活きていると感じます。保全を自分のバックボーンだと胸を張れるくらいしっかりと学んだ後、会社全体を見渡す機会を得て、アカウンティングやファイナンスを学び、その上で再生可能エネルギーに携われているのは、順番やタイミングにとても恵まれたなと思います。今回最高のタイミングで最高の部署に異動させてもらいましたので、希望するところで何ができるのか、自分への挑戦だと思っています。
金子:私も販売の経験をしたことが、今の仕事にとても活きていると思います。「風力」とか「再生可能エネルギー」というと、「世の中に貢献する」というイメージが強いと思うのですが、ビジネスとして「利益を生む」という意識を強く持って臨めていると思います。継続していくためにはビジネスとして成立させることがとても大切で、その目線でこの事業に取り組むことができていると思います。
田中:そうですね。金子さんであれば「営業」「販売」。私であれば「保全」。そういうバックボーンがあるからこそ、「誰もやったことのない事業」に対して、挑めていると思います。
自分たちの手で未来を創る
金子:「風力ど真ん中の仕事がしたい」という方であれば、コスモエコパワーへ応募頂くのがいいと思います。「新規事業をやりたい」「再生可能エネルギーをやりたい」という思いなのであれば、コスモエネルギーホールディングスでのキャリアも刺激的だと思います。
田中:自分を振り返ってみても、常にその時の自分よりも背伸びをした仕事に挑戦させてもらってきた感覚があります。コスモの人や風土は柔らかい雰囲気の会社で、のびのびと仕事を任せてくれる会社です。できることを増やしていけば、やりたいことにたどり着く。今、コスモエネルギーホールディングス・コスモエコパワーというアセットをフル活用して再生可能エネルギー・洋上風力に挑む中で、自分が担う仕事の責任の大きさやそのやりがいに痺れますね。
金子:痺れますね。今後も世の中に必要不可欠な石油を安定供給する使命をもつ一方で、CO2をいかに減らすかという世の中の潮流があります。そこに再生可能エネルギー事業に挑み、Oil&Newの両輪の事業を推進する。未来が変わっていく最中で自分たちは仕事をしているので、そこには意義とやりがいを感じます。
田中:電力のゲームチェンジという意味もあるし、洋上風力発電所を建設する地方の創生という意味もある。本当に、いろんなものがつまったプロジェクトなので、しっかりやりきりたいと思います。
今回インタビューを受けた二人が所属しているコスモエネルギーホールディングスの事業開発部では、グループ全体の再生可能エネルギーの企画・管理・統括業務を行っております。
コスモエネルギーグループの中で風力発電事業を主として行っているのはコスモエコパワーとなります。